Ⅰ.はじめに-肖像財産権(パブリシティ権)について

肖像には本人に無断で撮影をされない、撮影された肖像を無断で使用されないという権利が判例上認められています。これを人格権としての肖像権といいます。さらに、著名人等の肖像には、顧客吸引力、言い換えると経済的価値(商業的な利用価値)があることから、これを法的に保護するため、無断で商業目的に使用されないという権利も判例上認められています。これを財産権としての肖像権(肖像財産権=パブリシティ権)といいます。以下では人格権としての肖像権を「肖像権」と、財産権としての肖像権を「肖像財産権(パブリシティ権)」と記載することにします。
モデルについても、肖像を商品の宣伝や販売促進に使用させ、その対価を取得することが経済活動として成り立っているのは、そこに顧客吸引力=経済的価値(商業的な利用価値)があるからに他なりません。したがって、モデルの肖像についても人格権としての肖像権に加えて肖像財産権(パブリシティ権)が成り立ちます。
なお、肖像というと顔だけを考えがちですが、手・足・髪・後姿等のパーツについても肖像財産権(パブリシティ権)が否定される理由はありません。
以上の肖像権・肖像財産権(パブリシティ権)に加えて、モデルの出演内容によっては著作権法上の実演家の権利(著作権法第4章第2節)が成立する場合がありますので、この点も注意が必要です。

Ⅱ.権利の帰属

Ⅰに記載したとおりモデルの肖像については肖像権・肖像財産権(パブリシティ権)が成り立ちます。モデルエージェンシーと専属契約しているモデルの肖像財産権(パブリシティ権)については独占的・排他的にモデルエージェンシーに帰属しますので、肖像を使用する目的が何であっても必ず事前にモデルエージェンシーの許諾を得なければなりません。許諾を得ずに使用した場合、許諾の範囲を超えて使用した場合は肖像財産権(パブリシティ権)の侵害となり契約上のペナルティが科されますので注意が必要です。

Ⅲ.契約(契約当事者)について

①モデルエージェンシーと専属契約しているモデルの肖像使用に際しては、肖像を使用する主体となる使用者(広告主・広告会社・制作会社等著作権者)が契約当事者となり、モデルエージェンシーとの間で契約をしてください。
②モデルエージェンシーが確認していない契約書・覚書等をモデル本人と直接取り交わした場合、内容によってはその契約書・覚書等が無効となる場合もあります。
③肖像はモデルエージェンシーから許諾を得た範囲内でのみ使用することができます。
トラブルを回避するためにも、契約書や出演内容を網羅した発注(受注)確認書を作成し、許諾の範囲について書面で確認してください。
④モデルエージェンシーから得た許諾の範囲を超えて肖像を使用してしまった場合、肖像を使用する主体となる広告主・広告会社・制作会社がその責任を免れることはできません。契約までもキャスティング会社に任せてしまうのではなく広告主・広告会社・制作会社が契約当事者となり、許諾の範囲を直接確認した上で契約当事者として責任を持って肖像を使用してください。

出演契約の留意点

モデルエージェンシーは所属モデルと「マネジメント専属契約」を締結してい為、所属モデルの代理人として出演契約を締結する正式な権限を有しています。
従って出演契約を結ぶ相手先は出演する「成果物」の権利者であるとみなしております。
諸般の事情により「キャスティング会社」と出演契約を締結する場合は「広告主」や「広告代理店」、「制作会社」と「キャスティング業務委託契約」があることを前提としての契約となります。
また、出演条件に関しては出演依頼する側からの様々な条件を課せられますが、対価として出演料の支払いに関する条項が不明確なものが多く見られます。
出演契約書には「広告主」や「広告代理店」、「制作会社」及び「キャスティング会社」が同等の発注者責任を負う事を明記してください。
「成果物」の制作完了後のみならず、その「成果物」が使用されている期間において契約は効力を有します。
契約以外の使用への対応や支払いの不履行などの発注者責任は「成果物」の権利者にあります。
その為、出演料を支払期日までにご入金頂けない場合は、その契約が無効となり「広告の差し止め」申し立てを行う場合もございます。
出演料のお支払い期日までに確認できなかった場合は、「キャスティング会社」、「制作会社」、「広告代理店」、「広告主」という順番で出演(肖像使用)の許諾確認と出演料のご請求をさせて頂きます。
広告主、広告代理店、制作会社各位におかれましては「キャスティング業務委託会社」の選定は委託した側の責任が重大である事をご理解ください。

Ⅳ.競合について

第三者への出演を制限することはモデルの活動に対する大きな制約となりますので、以下のルールに従い、モデルエージェンシーの許諾を得てください。
①企業競合をかけ独占的に肖像を使用する場合は専属契約料、商品競合をかけ制限する場合は拘束料が別途発生します。
②「競合無し」の場合は、他の出演に関しては制限が無いため、出演情報の提示には応じかねますので、ご了承ください。出演情報の確認が必要な場合、「競合有り」の条件に変更の上、別途拘束料をお支払いください。

競合とは

同業他社または同一カテゴリー製品の広告媒体への出演を制限すること。出演制限に対し拘束料が発生します。
●同業他社の広告すべてに出演できない場合は、専属契約となります。
●他社製品の広告に出演できない場合は、アイテム数によって拘束料がUPします。
※他社製品とは同一商品群を言います。
※漠然とした分類は避けてください。(例:通信機器・トイレタリー・食品など)
※写り込む物はすべてが競合の対象と言われるクライアントがありますが、特段の発注と拘束料がない場合は、競合対象とはなりません。(例:自動車に競合をかけた場合、タイヤやカーナビなどのパーツ・装備品は競合の対象にはなりません。)

競合の期間

●出演媒体の使用期間と同じ。媒体の使用前、放映前、ならびに終了した出演先に競合をかけることはできません。
●過去の出演歴を遡って申告することは、契約上合理性に欠け、露出前の出演先のお問い合わせについては機密保持の義務に反する場合もありますので、お応えできません。
●使用期間外に競合をかける場合は、別途拘束料を保障していただきます。

競合の有無

「競合無し」の場合は、他の出演に関しては制限が無いため、出演情報(過去の出演情報も含む)の提供には応じかねますのでご了承ください。出演情報が必要な場合、「競合有り」の条件に変更の上、別途拘束料をお支払いください。例外的に「競合無し」の案件で情報提供をする場合、「出演者情報リサーチ費」が発生する場合がありますので、ご理解ください。

※本来の「競合無し」の在り方を改めて明確化するために、JAC(一般社団法人 日本アド・コンテンツ制  作協会)では、これを「インフォメーションレスキャスト(ILキャスト)と呼んでいます。【「JAC制作見積ハンドブック」内の「Ⅱ制作フェーズ04出演費(1)(43ページ)を一部参照】

 Ⅴ.期間の延長・媒体の追加などの契約外使用について

モデルの肖像を許諾の期間・範囲を超えて使用する場合は、必ず1ヶ月以上前に書面にて申請し許諾を得てください。
①モデル肖像使用の終了日から1ヶ月前までにご連絡がない場合は、当初の契約内容に基づき使用を終了させていただきます。
②使用許諾する際には特段の合意をしない限り追加使用料が発生します。追加使用(延長・再使用)料は原則として当該案件契約料の100%と致します。
③当初の契約に含まれないモデルの肖像使用(使用媒体の追加、使用地域の拡大や変更等)について諸条件の合意が出来ない場合、肖像使用の許諾は致しませんので予めご了承ください。

追加使用料の考え方

モデルの広告出演料は出演媒体及び使用される期間と範囲によって算定されています。
追加使用においても、出演する媒体と期間が同じであれば同等の使用料金が発生致します。
広告出演料はモデルの肖像使用の対価であり出演モデルの労働性に対する対価ではありません。
※撮影料と出演料が別に計上されて契約された場合には撮影料を引いた金額が追加使用料となります。
※使用媒体の追加、使用地域の拡大や変更等がある場合は当初の契約料の他、別途肖像使用料が発生します。

Ⅵ.無断使用(契約外使用・許諾外使用)に対する賠償・違約金について

①許諾を得ないで、また許諾の範囲を超えて肖像を使用することは肖像権・肖像財産権(パブリシティ権)の侵害となります。この場合、判例上使用差止請求が認められているほか、不法行為(民法709条以下)の規定に基づき損害賠償請求が認められています。悪質な事例では謝罪広告等の名誉回復措置の請求が認められることもありますので、注意が必要です。
②許諾を得ないで、また許諾の範囲を超えて肖像を使用した場合には違約金を請求させて頂きます。
③許諾を得ずに使用期間延長、媒体やURLの追加等、契約外使用をした場合は無断使用者にトラブルの全責任を負っていただきます。この責任にはモデルエージェンシーに対する違約金は当然のこと、競合等の制限による新たな契約者の使用を妨げた場合の損害の責任も含まれます。

<<肖像使用に関する注意点>>

肖像の「買い取り」について

まずは発注の際に混同されがちな、「買い取り」と「無制限使用」の違いについて、JMAA協会の共通認識での「買い取り」とは、撮影した画像を「期間や媒体、用途の使用に制限なく使用可能なこと」を指します。「無制限使用」とは、撮影した画像を「期間のみ制限なく使用可能なこと」で、「媒体、用途」に関しては、当初の使用目的の範囲を超えての使用はできません。

JMAA協会の会員社は所属するモデルとの専属マンジメント契約の締結にあたり、全ての出演管理を権限を有する前提での内容となりますので、その権限を放棄する条件となる買い取りや、現実的にモデルを管理し続けることが非常に困難な無制限使用については応じることが出来ません。

買い取りに応じることは肖像財産の権利と管理責任を放棄する行為であり、肖像の適切な管理ができない事業者は、一般的な広告契約の際に前提である、「所属者を直接管理する権限を持つ者」といった内容にも抵触し、所属モデルはもちろん、直接の発注者からクライアントまで不利益を与える可能性があります。

出演者の犯罪行為などの、クライアントのイメージを著しく損なうような事例が起きた際には素材を買い取り、またはご使用になられた方の管理責任となることをご了承ください。

買い取り案件にお取り組みの際には、上記リスクを関係者に十分ご周知ください。無用なトラブルを避けるためにも、または公正な肖像利用の観点からも適切な使用期間の設定へのご理解をお願いいたします。

②身体の一部であっても肖像権・肖像財産権(パブリシティ権)が及びます。
モデルの顔を切り取る・モザイクを施すなどした肖像であっても、無断で使用すれば肖像権・肖像財産権(パブリシティ権)の侵害となります。また、人物の特定が困難となる改変をすることは人格権の侵害となりますので、改変を行う際には許諾を得て対価をお支払いください。なお、改変についてはお断りする場合もあります。

③肖像以外の氏名・音声・経歴の使用についても、事前にモデルエージェンシーの許諾を得てください。肖像の無断使用はもちろんのこと、これらについても無断使用はトラブルの原因となりますので注意が必要です。

④モデルの肖像使用は、使用者(広告主・広告会社・制作会社等著作権者)が管理可能な範囲内とさせていただきます。
特に、デジタルコンテンツは複製・転載・改変などの加工が容易なため、無断転載等のトラブルが後を絶ちません。第三者による不正使用が発覚した場合は、使用者の責任において削除要請などの対応を行っていただきます。

⑤著作権とモデルの肖像権・肖像財産権(パブリシティ権)は別個独立の権利です。
著作権者(広告主・広告会社・広告制作会社及び撮影者)であっても、肖像使用は事前に許諾を得た範囲内に限られ、無断で使用すれば肖像権・肖像財産権(パブリシティ権)の侵害となりペナルティが科されます。

●著作権者といえども、モデルの肖像を含む広告成果物(コンテンツ)を無断で第三者に使用許諾を与えることや関連会社のサイトに無断で複製・転載することはできません。URLの第一階層が、許諾されていない第三者のアドレスの場合は無断使用と判断いたします。 【 一階層= http://に続く 次のスラッシュまでのURL / 】
●撮影者は、自身に著作権があることから「自分の作品」として自由に使用できると誤解しがちですが、モデルの肖像を勝手に使用することはできません。
テスト撮影による写真や動画等の成果物(コンテンツ)を第三者に使用させたり、譲渡したりする場合、自身のWebサイトやSNSなどに使用する場合もモデルエージェンシーの許諾が必要です。

⑥ミュージックビデオなど
ミュージックビデオ等の出演契約は別紙参照

⑦雑誌の電子配信
●雑誌のデジタル版(=電子配信)を販売する場合は事前に許諾をおとりください。
●雑誌の販促を目的とする以外に雑誌コンテンツを使用する場合は別途許諾をお取りください。
●雑誌の販促を目的とする以外、ライセンス契約誌にコンテンツを転載する場合は別途許諾をお取りください。

⑧Web
肖像を許諾なく、インターネット上にアップロードすることは「肖像権」の侵害となります。
●デジタルコンテンツは複製・転載・改変が容易なことから、利便性が高い反面、ひとたびWebサイトとして配信されれば、コンテンツの拡散を防ぐことが困難になる危険性を孕んでいます。
サイトの著作権者にはコンテンツに含まれる権利が侵されないよう特段の注意を払っていたくようお願いいたします。Webサイトでも肖像使用の最終的な責任は著作権者に負っていただくことになりますので、契約の際にはより一層注意してください。

●許諾されたURLと一致しないWebサイトで使用された場合、契約外使用として違約金が科せられます。使用するURLの第一階層をすべてお知らせください。また、同一のスポンサー名・商品名を冠した同一レイアウトのWeb サイトであっても、URLが違う場合は他者の使用と判断されます。特に、ショッピングモール等通販サイトやグローバルサイトのURLについてはご注意ください。
【 一階層= http://に続く 次のスラッシュまでのURL / 】

●Webサイトの管理・保護、サーバー内のデータ管理の最終責任は著作権者にあります。データの不正使用を防止する義務と不正使用が起こった場合の対応と処理、契約期間後もサイトにアクセスが可能な状態、すなわちサーバー内のデータの削除を怠ったことに起因するトラブルについても著作権者に責任を負っていただきます。

●Web広告にモデルの肖像を使用する場合は契約期間の終了と同時にすべてのWeb サイトでの使用を終了させてください。使用許諾を与えた関連企業のサイト、バナー広告・リターゲティング広告等のサイトで継続して肖像が使用されている場合は、延長使用料をお支払いいただきます。

●アフィリエイト
アフィリエイト広告は肖像管理が及ばない危険性が高いため、肖像使用は原則お断りさせていただきます。アフィリエイターに対し、自社サイト内に使用されているモデルの肖像を無断で使用しないよう警告を行ってください。万が一、アフィリエイターが肖像権・肖像財産権(パブリシティ権)を侵害した場合は使用者(広告主・広告会社・制作会社等著作権者)の責任において対処していただきます。 アフィリエイト広告に自社サイトの使用期間を経過したモデルの肖像が使用されている場合は使用料をお支払いいただきます。

●アーカイブ
肖像を含むCM作品・雑誌のバックナンバー・制作物等コンテンツをアーカイブ(記録目的)として当初の使用期間を超えて掲載する場合は、別途、許諾をおとりください。尚、アーカイブの存在によって、モデルの将来の出演に支障をきたす場合はアーカイブでの使用をお断りさせていただきます。

●まとめサイト(特定のテーマで情報を収集・編集したウェブサイト。いわゆるキュレーションサイト)
まとめサイトにモデルの肖像を使用する場合は、その旨の許諾が必要となります。コンテンツ管理の最終責任者は著作権者にあります。まとめサイト等で第三者に無断使用された場合、著作権者は、無断使用者へ削除要請をすると同時に、該当第三者に無断使用料を払うよう要請する責任を負っていただきます。

●SNS
SNSにモデルの肖像を使用する場合は、その旨の許諾が必要となります。
コンテンツについて、SNSでの拡散をモデルが協力する場合は、事前に了承を得て、料金についても別途協議をしていただきます。

<<出演料・肖像使用料等について>>

(契約された出演料・使用料を100%とする)

① 出演料・使用料
出演料・使用料は肖像の使用許諾の範囲(媒体・期間・地域・競合の有無)・その他の条件・実働の条件によって決定します。

② 媒体・期間
a) 新聞広告・チラシ・・・1回  100%
b) 雑誌      ・・・1発刊 100%
ただし、表紙・編集ページ・タイアップ広告・雑誌広告・Webサイトに分けられます。編集タイアップ広告は広告とみなします。
雑誌コンテンツ(タイアップ広告ページを含む)を他の広告媒体に使用する場合は別途使用料が発生します。
c) CF・Web・VP・電飾・POP・カタログ・パンフレット・ポスターなどの媒体
1クール(使用開始から3ヶ月)・・・100%
2クール(      6ヶ月)・・・200%
3クール(      9ヶ月)・・・300%
4クール(      1年 )・・・400%
撮影日から使用開始日までに期間が有る場合は別途料金が発生します。
d) 書籍(ムック本等)・外装パッケージ・スマートフォンのアプリ(応用ソフト)等、制作数やダウンロード数を条件とする媒体は別途協議。

③ 競合の有無 前述Ⅳ参照

④ その他の条件
a)下着・ヌード・その他特殊な出演の場合は事前に正確な内容をお知らせください。
b)パーツ(手・足・髪等)も肖像ですので、本ガイドラインが適用されます。
c)オーディション料・カメラテスト料・採寸・仮縫い・衣装合わせフィッティングモデルの場合は拘束時間に応じて料金が発生します。
d)プレゼンテーション料・リハーサル料(本番日以外)は出演料に応じて別途料金が発生します。

⑤ 出演の条件
a)1日の拘束時間  原則8時間以内(8:00~21:00)
18歳未満  22:00以降使用禁止(一部例外あり)
15歳未満  20:00以降使用禁止(一部例外あり)
b)早朝・深夜    6:00以前・21:00以降は割増料金を申し受けます。
c)移動       移動のため前日から拘束される場合は時間に応じて割増料金を申し受けます。
d)超過料金    別途
e)予備日      天気予備      50%
自宅待機中止   50%
現地集合して中止 100%

⑥ キャンセル料
出演者のスケジュールは決定した時点から同日の出演や競合他社への出演をお断りするなどの調整を行います。したがってキャンセルされた場合には下記を基準としたキャンセル料を申し受けます。
a)前日・当日    100% (但し、土・日・祝祭日・営業時間外を除きます)
b)それ以前に連絡があった場合   50%~100%

⑦ 違約金
契約外使用料と違約金の支払いは、通常の支払いサイトとは区別されるべきものですので、請求書到着日に即日お支払いください。

⑧ 手数料
a)モデルエージェンシーの業務管理費またはサービス料として所定の手数料を申し受けます。
b)職業紹介による斡旋の場合は法的手数料を申し受けます。

⑨ 消費税
出演料・使用料・手数料等を含む総額に対し法定の消費税率による消費税を申し受けます。

⑩ 源泉税
出演料・使用料をモデルエージェンシー等法人に支払う場合、源泉徴収は不要です。

⑪ 支払いについて
a)出演料・使用料は出演決定時(出演前)に決めて下さい。
b)支払いについては広告主に責任を負っていただきます。
c)現金にてお支払いください。初回の取引は当日現金、または前日までお振込みください。

<<シルバーモデルについて>>

シルバーモデルの出演に関して
「シルバー世代」モデルの需要が増加傾向にあります。
シルバーモデルにつきましては身体的な負担を考慮し、撮影や収録現場における拘束時間、及び内容は、所属事務所と話し合いのうえ、慎重に決めてください。
また、充分な休憩時間を設け、極端に深夜までの拘束及び長時間の稼働は避けるよう配慮をお願い致します。

<<スタンドインについて>>

スタンドインの業務内容について
コマーシャルやグラフィック撮影の出演タレントに替わり、テストシューティング等を請け負う業務です。
エキストラや手、足、顔、後姿等のパーツであっても本番作品に出演することは、スタンドイン業務に含まれませんのでご注意ください。

出演料について
スタンドインの出演条件、基本料金は下記の通りの拘束時間を目安として計算します。
①1日の拘束時間 原則10時間以内

追加料金について
①10時間を超えた場合は、1時間ごとに別途料金が発生します。
②午前6:00以前、21時以降は早朝・深夜割増料金が発生いたします。
③パーツでの本番の作品への出演・・・カット数、拘束時間による。

その他注意点・お願い
①パーツでの出演など、スタンドイン業務以外の業務は、モデルへの本人確認ではなく、必ず事務所への確認をお願いします。
過去の例:パーツでの出演、モーションキャプチャーなど
②ワイヤーで吊る等、危険を伴う恐れのあるものは、事前の確認と保険への加入をお願い致します。(内容によってはお受けいたし兼ねる場合がございます。)
③現場で何か、モデルに関する問題が発生した場合は、事務所への連絡をお願いします。
④撮影が長時間にわたる場合は、必ず休憩を入れてください。
⑤撮影が深夜に及ぶ可能性がある場合は、事前に申告をお願い致します。その際は、必ずホテルへの宿泊もしくは、タクシーの手配をお願い致します。

<<ミュージックビデオの出演契約について>>

ミュージックビデオはダウンロード配信により、半永久的に視聴可能となる媒体です。またコマーシャルの素材となることも多く、モデルの出演に際しては、契約当事者間で必ず下記確認してください。

使用目的
プロモーションのみの使用の場合は出演契約となります。
CMにも使用する場合はスポンサー企業を含めた広告使用契約となります。
※制作後に広告素材となることが決まった場合は追加契約が必要です。

プロモーションの内容・規模
TV番組・MusicTV・コンサート会場・店頭モニター・街頭モニター・映画館・アーティストのサイト・レコード会社のサイト・CD付録特典映像DVD 他

WEB配信形式
ストリーミング配信
ダウンロード配信・・・課金の場合は別途契約となります。

トラブルを回避するためには、プロモーションの内容・WEB配信形式など詳細を事前にお知らせいただく必要があります。

<<その他の注意点>>

年少者の出演について
年少者・児童の出演のガイドラインをご確認ください。

個人情報保護について
①モデルエージェンシーはモデル本人より個人情報の提供を受け、これを管理し業務に必要な範囲で利用することを委任されております。モデルに対して個人情報保護法に関する書類等に捺印を求める場合がみられますが、責任の所在が不明瞭にならないようにするためにもそのような場合には事前にモデルエージェンシーに連絡し許可を得てください。
②モデルの個人情報は、個人情報保護法に従って取り扱い、出演に関与しない第三者への漏洩や出演以外の目的に使用されることのないよう管理してください。

機密保持について
モデルエージェンシーは発注の内容及び出演の過程で知りえた情報について機密保持の義務を負います。
また、一般社団法人日本モデルエージェンシー協会会員のモデルエージェンシーは、契約上モデルに機密保持義務を課しておりますので、モデルに対して機密保持に関する書類への捺印を求める場合は、事前にモデルエージェンシーに連絡し許可を得てください。

保険について
モデルの出演に関連した事故・危険回避義務はモデルを使用する側にあります。保険に加入するなどし、補償に備えてください。
キャスティングとして関わる企業および個人は、モデルに事故や損害が生じないよう配慮するとともに、万が一事故や傷害が生じた場合には責任を持って対応してください。

◆不可抗力
天災・事故・病気(要診断書)等により契約を履行できなかった場合は、当事者が協議し、解決してください。

◆私的使用の範囲
一般公開のイベント・撮影会などでのモデルの撮影は、撮影した写真や映像を個人的に楽しむ目的で使用すること(私的使用)を前提に許諾されているものです。したがって、そのような機会に撮影した肖像をモデルエージェンシーの許諾なく、自身のHPやSNS(ブログ・ツイッター・Facebook・LINE等)に使用する行為、Webサイトに公開する行為は、肖像権・肖像財産権(パブリシティ権)の侵害となります。不特定多数の入場者が撮影可能となるイベント等の主催者は入場者・参加者が「私的使用の範囲」を超えて肖像を使用することのないよう注意をするなどの配慮をしてください。

<<年少者・児童の出演に関するガイドライン>>

◆ガイドライン主旨

「年少者・児童の出演に関するガイドライン」は子供モデル・タレントの需要の増加と低年齢化に対応して、子供たちの保護と健全に育むマネジメントを目的に作成しております。
肖像財産権(パブリシティ権)について理解と企業間の取引におけるルール、注意点をまとめた「ガイドライン」と同様、マネジメントや制作に関わる皆様方の共通認識としてください。

子役は、映画・テレビ・伝統芸能など、メディア・エンターテイメントに欠かすことのできない存在であり、多くの子供たちが将来を夢見て演技やダンスなどのレッスンに励んでいます。
乳幼児、小学生はもちろんですが、意思決定能力が十分に備わっているものと考えがちな中高生であっても、未成年者であることと社会経験の乏しい子供であるということを念頭に置いて下さい。また、子供たちには成長の過程でタレントやモデル以外の道の選択肢も加わります。幼くして活躍し脚光を浴びた子供でも、普通の社会生活が送れるよう義務教育を受け進学できるように育むことが大人達の責務であると考えます。

アイドルの低年齢化、子供タレントの活躍によりタレントやモデルを目指す子供たちのすそ野は広がっています。社会の関心も高いことから、ひとたび、子供の出演者が事故や事件に巻き込まれた場合には、使用者や養成機関、マネジメント会社が様々な角度から責任を問われることが想定されます。

当協会は、企業として、大人として、法律や条令に反することなく子供たちの夢の実現をサポートし、健全に育むことをマネジメントの基本姿勢としていただくよう各位にお願いいたします。

◆安全管理

●乳幼児・児童(特に12歳未満)は、原則オーディションに・現場に保護者が付き添います。出演者本人はもとより付き添う者含め、現場での安全管理に配慮してください。
●現場の状況に応じて、付き添う者も傷害保険等の補償対象としてください。
●出演終了後、深夜に未成年が独り歩きにならないように配慮してください。
●オーディションは子供たちの就寝時間を考慮し、遅い時間からのスタートは止めてください。

◆乳幼児

●生後1年に満たない乳児の場合は、移動・待機・撮影や収録など本番に要する時間が体の負担にならないようにし、帯同する母親の体調にも配慮してください。
●乳幼児は、日常の生活パターンを考慮した香盤スケジュールにしていただき、必要に応じて、仮眠(お昼寝)や休憩ができる控室を準備してください。

◆児童

●義務教育過程にある児童は就学を優先してください。
●長期公演の場合は、所属事務所と相談の上、必要な届出等を行ってください。
●特別な事情により早朝に撮影等をする場合は、就学に支障をきたすことのない曜日にしてください。
●猥褻なイメージを喚起する撮影設定の映像、画像への出演をお断りする場合があります。映画、ドラマの演技シーンについては制作会社、出演者所属事務所の双方が慎重に協議の上決定してください。
●児童の健全育成のため、公序良俗に反する表現(暴力・性描写・いじめ・差別・飲酒・喫煙など)がある出演はお断りする場合がございます。

映画・ドラマの演出上必要な場合は、心の負担にならないように特段の配慮をお願いいたします。

◆拘束時間について

●ロケ地への移動、待機・休憩・本番を総合し、拘束時間に配慮してください。
●撮影や収録現場における拘束時間は、年齢と個々の耐久力(身体的・精神的)を考慮し、下記時間を参考にスケジュールを作成してください。
●児童にあっては就学時間を優先してください。

乳児(1歳未満)2時間以内
幼児(6歳未満)3時間以内
児童(小学校低学年)4時間以内
児童(小学校高学年~中学生)6時間以内

◆個人情報の保護

●緊急時用に取得した個人情報は濫用されないよう管理してください。

◆出演時間

テレビ番組や演劇などのライブ上演では労働基準法に則り、年少者・児童の出演時間を制限しています。広告制作等においても配慮してください。

年少者 22:00~翌5:00 就労禁止
児童  20:00~翌5:00 就労禁止

労働基準法が規定する年少者・児童の年齢

年少者=満18歳未満の者
児童 =満15歳に達した日以降の最初の3月31日までの者

(JMAA 2018年9月1日改訂)

以上

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